【開催趣旨】
「人々が本当に求めている美術館体験は何か」という観点から、これからの美術館像を考えます。美術の専門家の多くは、美術館で最も充実した気持ちを味わう瞬間は、作品が生み出す異次元空間においてもたらされると言います。目の前にある作品が表現する世界のみならず、作品を媒介として描いた人への深い共感や、その作品の前に立って自分と同じような想いを抱いたであろう他者との結びつきを感じるなど、心や精神や魂と密接にかかわるやり取りが起こる空間として、美術館を捉えているのです。誰にとっても、美術館における本当の喜びとは、異次元を経由して他者の生命とのやりとりが生まれることではないでしょうか。しかし、誰もが一度きりの美術館体験から、このような異次元空間を感じることができるわけではありません。
もし、このような美術館体験を希望する人々がいたとしたら、美術館は今何ができるのでしょうか。日本やアメリカ、フランスの美術館の実践例をもとに紐解いていこうと思います。そして、より多くの人々が美術館のもたらす本質的な喜びを理解し、その文化的な実践の中に入り込むことこそが、豊かな文化の創造につながるということを、皆さんと一緒に展望します。
■共 催
日本経済新聞社、神奈川県
■監 修
高階秀爾/西洋美術振興財団理事長
蓑豊/サザビーズ北米本社副会長、金沢21世紀美術館特任館長、大阪市立美術館名誉館長
建畠晢/国立国際美術館長
■協 力
(株)ヒューマンバリュー、横浜インターナショナルスクール
■後 援
フランス大使館、文化庁、全国美術館会議、企業メセナ協議会、独立行政法人国立美術館(申請中)
■日 時
2010年2月27日(土)10:00〜18:00 (9:30開場)
2010年2月28日(日)10:00〜18:00 (9:30開場)
■会 場
湘南国際村センター アクセスはこちらから
■基調講演者
(1日目)鷲田清一/大阪大学総長
(2日目)佐伯胖/青山学院大学社会情報学部教授、東京大学名誉教授
■映 像 *字幕・吹替付
ルーヴル美術館「クラス・ルーヴル La Classe Louvre」(ジュリエット・セニク監督、2006年、フランス)
イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館「アートを通して考える Thinking Through Art」(リサ・マクエラニー監督、2007年、アメリカ)
日本初公開
神奈川県立近代美術館「鎌倉の立てる像たち」、「拝啓鬼様」(森内康博監督、2009年、日本)
●報告者 *通訳付
フレデリック・ルサール/ルーヴル美術館来館者政策・芸術教育部門教育普及部長
マーガレット・バーチュネル/イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館教育普及担当キュレーター
稲庭彩和子/神奈川県立近代美術館学芸員
●パネリスト(基調講演者、報告者を除く)
高階秀爾/西洋美術振興財団理事長
蓑豊/サザビーズ北米本社副会長、金沢21世紀美術館特任館長、大阪市立美術館名誉館長
建畠晢/国立国際美術館長
山梨俊夫/神奈川県立近代美術館長
一條彰子/東京国立近代美術館主任研究員
福原義春/東京都写真美術館長、かながわ国際交流財団理事長
■定員
80名 (両日参加できる方)
■参加費
一般:2000円、博物館関係者・学生1000円
■申込方法
要事前予約。参加申込書に必要事項をご記入の上、下記の申込先までお送りください。お申し込み多数の場合は抽選となります。
参加申込書はこちらからダウンロードできます。
※湘南国際村センターは宿泊施設を備えておりますので、ご希望の方はご宿泊することができます。希望される場合、別途湘南国際村センターよりご連絡申し上げます。
■申込締切
2010年2月10日(水) ※参加の可否は、2月20日(金)を目途に郵送でお知らせします。
■申込先
かながわ国際交流財団 湘南国際村学術研究センター(担当:原嶋、成田、尾崎)
住所:〒240-0198 神奈川県三浦郡葉山町上山口1560−39
TEL:046-855-1822、FAX: 046-858-1210、E-mail: museum@k-i-a.or.jp
■プログラム
2月27日(土)10:00〜18:00(9:30開場)
10:00 開会挨拶: 福原義春
10:05 オープニング
10:20 基調講演「あさっての美術館(仮)」
基調講演者: 鷲田清一
11:10 休憩
11:20 ワールド・カフェ「美術館はあなたにとってどんな場所ですか?」
ファシリテーター: 川口大輔 (ワールド・カフェに関する説明は5頁目を御覧ください)
講評: 鷲田清一
13:00 昼食
13:50 事例報告 (途中休憩あり)
◎イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館の事例
「アートを通して考える」上映(20分)
〔アートを見ることによって、小学4年〜5年生の子どもの批判的思考法−観察力、解釈、連想力、問題解決、柔軟な思考法を含む−
を活性化できることを明らかにした教育プログラムの研究調査。MOMAなどでも活用されているヴィジュアル・シンキング・ストラタジー
(VTS)の考案者であるアビゲイル・ハウゼンとフィリップ・ヤノワインも協力。〕
報告: マーガレット・バーチュネル
◎神奈川県立近代美術館の事例
「鎌倉の立てる像たち」、「拝啓鬼様」上映(20分)
〔14歳の子ども達が絵を鑑賞しながら、次第に自分自身や他者の在りように気づき、思考を巡らす短編ドキュメンタリー。小学5年生
から
学級運営に取り入れられた作品鑑賞の時間。次第に彼らは絵の前に一人で佇むことを覚え、時には友達と意見を交わしながら
作品世界を楽しむようになった。ドキュメンタリーの背景には3年間に渡る美術館との交流がある。2本の映像は、神奈川県立近代
美術館の所蔵品を代表する松本竣介の《立てる像》や、斎藤義重《鬼》を鑑賞した様子を紹介するものである。〕
報告: 稲庭彩和子
◎ルーヴル美術館の事例
「クラス・ルーヴル」上映(52分)
〔パリのベルグソン高校では、ルーヴル美術館の作品を利用しながら一年を通して全教科を学ぶ「ルーヴル・クラス」というプログラム
がある。絵の前で無駄口を叩き、ケンカをする、どこにでもいる高校生たちが、絵と向かい始める。ルーヴル美術館を舞台に学ぶ、
世界で最も贅沢な高校生たちが、1年間の最後に得たものとは―。〕
報告: フレデリック・ルサール
17:00 ◎パネル・ディスカッション
議長: 高階秀爾
パネリスト: マーガレット・バーチュネル、稲庭彩和子、フレデリック・ルサール
17:50 事務連絡
18:00 第1日目終了
18:30 レセプション
2月28日(日)10:00〜18:00(9:30開場)
10:00 オリエンテーション
10:10 基調講演「絵をみることはどういうことか」
基調講演者: 佐伯胖
11:00 休憩
11:10 ワールド・カフェ「美術館の未来」
講評: 蓑豊
12:40 昼食
13:40 パネル・ディスカッション「人と作品がかかわりあうことの意味とは何でしょう」
議長: 建畠晢
パネリスト: 佐伯胖、高階秀爾、蓑豊、山梨俊夫、一條彰子、マーガレット・バーチュネル
フレデリック・ルサール、稲庭彩和子、福原義春
15:20 休憩
15:30 パネル・ディスカッション(続)
16:10 休憩
16:30 ワールド・カフェ「明日への一歩」
講評: 山梨俊夫
17:50 クロージング
17:55 閉会挨拶: 福原義春
*ワールド・カフェとは―
人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできる「カフェ」のような空間で、お互いの想いを共有したり、知識・知恵を創発する話し合いの方法。現在世界中の組織やコミュニティで活用が進んでいます。4〜5名が1つのテーブルに座り、自分たちにとって大切な質問やテーマについてオープンに会話する形で行われます。20〜30分程度のセッションが3ラウンド行われ、各ラウンドの間にはメンバーが入れ替わり、あたかも蝶が他花受粉するようにアイデアを結び付け、気づきや発見を生み出していきます。
【協力 (株)ヒューマンバリュー】 |