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 国連大学グローバルセミナー(2005年度)

 第21回湘南セッション
開催日2005年9月5日(月)〜9日(金)4泊5日
場  所湘南国際村センター国際会議場、研修室ほか
テーマ「グローバル・ガバナンスにおける国連の役割―挑戦と可能性―」
共  催国際連合大学
後  援財団法人国連大学協力会
協  賛キッコーマン株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社
協力大学青山学院大学、中央大学、フェリス女学院大学、国際基督教大学、国際大学、
慶応義塾大学、東海大学、津田塾大学、東京大学、早稲田大学
参加者大学生、大学院生、社会人等96名
講 師◇基調講演者:
 ケビン・クレメンツ/オーストラリア平和紛争研究センター 所長
 志村尚子/前津田塾大学 学長・教授
◇講 演 者:
 望月康恵/関西学院大学 助教授
 ベセリン・ポポフスキー/国連大学 学術研究官
 浦元義照/ユニセフ駐日事務所 代表
 長 有紀枝/ジャパン・プラットホーム 評議会アドバイザー
 ステファン・ジョベ/カナダ大使館 参事官(政治担当)
 内田孟男/国連大学 客員教授、中央大学 教授
 早川秀樹/多文化まちづくり工房代表
 ルダシングワ・吉田・真美/ムリンディ・ジャパン・ワンラブ・プロジェクト代表
 ガテラ・ルダシングワ/ムリンディ・ジャパン・ワンラブ・プロジェクト
◇プログラム委員長:
 滝田賢治/中央大学教授

 プログラム
○基調講演
 初日の基調講演では、オーストラリア平和紛争研究センター所長のケビン・クレメンツ氏による「人間の安全保障を求めて:グローバル・ガバナンス、開発、平和構築」と前津田塾大学長の志村尚子氏による「国連の平和維持活動と最近の動き」の2つの講演が行われました。クレメンツ氏は、世界で最も大きいNGOの一つであるインターナショナル・アラートの事務局長を務めた経験から、学術的な研究と平和構築と紛争転換の実践に裏付けられた知見を披露しました。また、1970年から1995年まで国連事務局で反アパルトヘイト問題やPKOを担当された志村氏は、国連による平和と安全の維持についての課題を提示し、参加者は熱心に聞き入っていました。
志村先生の講義
【志村先生の講義】

○メインプログラム
 プログラムは、大きく3つのメイン・セッションで構成されています。セッション1では、現在様々な問題解決を迫られる中で批判の矢面に立つと同時に、新しい世界秩序構築の担い手として期待が寄せられる国連が抱える課題に焦点を当て、創設60年の国連の歴史と業績を振り返りました。セッション2では、ユニセフなどの国際機関の活動についての講義やインドネシア津波支援で活躍したNGOの活動の報告を通して、現場からの発想について理解を深め、セッション3では、カナダの外交政策を例に見ながら多国間主義と国連のあり方を考えるとともに、グローバル・ガバナンスを実現するために国連事務総長のリーダーシップについて議論しました。
熱心に講義を受ける参加者
【熱心に講義を受ける参加者】

○グループ討論とグループ発表
 各セッションの講義後、参加者は、約12名からなる5つの日本語グループ、3つの英語グループ、計8グループに分かれて、講義に関する自由な意見交換や討論を行いました。今起こっている紛争や自然災害を自らの問題として捉えようとする意欲的な参加者による議論が、毎晩遅くまで繰り広げられ、最終日朝のグループ発表では、趣向を凝らした発表が各グループの討論の集大成として披露されました。
グループ討論風景
【グループ討論風景】

○かながわセッション
 神奈川県では「地域からの国際貢献」を目指し、地域のNGOの活動支援とともに、地域に暮らす外国籍の人々との共生社会を実現するための取り組みが、県やNGOや外国籍県民との協働の中で進められています。この「かながわセッション」では、地域の国際協力の実践者から支援活動の様子や現状を聞くことで、私たちの日常生活の中に存在する国際問題についての理解を深め、新たな視点を持つための試みです。今年はA、B、2つのグループに分かれてワークショップを行いました。
 グループAでは、横浜市と大和市にまたがる県営いちょう団地に住むインドシナ難民定住者などの外国籍県民の学習・生活支援に取り組む「多文化まちづくり工房」の早川代表とともに、異なる文化背景を持つ人々が共に生きるための地域社会づくりについて考えました。
 また、グループBでは、1994年に大虐殺が起こったルワンダで障害を負いながらも懸命に生きる人々への支援のため、NGO「ムリンディ・ジャパン・ワンラブ・プロジェクト」を立ち上げ、義肢製作を行うルダシングワ夫妻に、日本人とルワンダ人がどのような協力体制が作れるかを考えました。
 かながわセッションへ参加した後には、講師の主宰するNGOで実際に足を運ぶ学生も多く、国際問題への自らの足がかりを捉える契機となっています。
かながわセッションBの風景
【かながわセッションBの風景】

○ディベート
 講義を中心としたセッションに加えて、参加者代表による「ディベート」が、今年新たな試みとしてスタートしました。「新しい国際連合の安全保障理事会で、日本は常任理事国になるべきである」を命題に、白熱した議論が繰り広げられ、最後の票決では賛否どちらに入れようか迷いに迷う姿も多く見られました。
ディベート風景
【ディベート風景】

○修了証
全日程を終了した参加者へは、国連大学からグローバル・セミナー参加の修了証が交付されます。
プログラム委員長から修了証授与
【プログラム委員長から修了証授与】

○報告書の作成
毎年開催終了後には、学生のボランティア編集委員の手によって、120ページほどの本格的な報告書が作成されています。今年も23名の有志が集い、春の完成に向けて取り組みを開始したところです。

 セミナーの概要

 このセミナーは国内外の学識者、専門家、国際関係者を講師に迎えて行われる集中的な講義と、参加者同士のグル―プ討論、グループ発表を通して、国連が取り組む地球規模の問題についての認識と理解を深め、グローバルな視野と国際感覚を培うことを目的とした合宿型人材育成セミナーです。今や国内7カ所での開催に加えて、韓国、ハワイでも行われている国連大学グローバル・セミナーの中でも、湘南セッションは今年で21回目(湘南国際村センターでの開催は12回目)を迎え、最も長い歴史を持ち、最大規模で行われているセッションです。
 今回は、第2次世界大戦の惨禍に対する反省によって創設され、今年60周年を迎える国連が今後グロ ーバル・ガバナンスを実現する上でどのような役割を果たすことができるかを展望しました。

 参加者の声

「仲間との出会い、リンクした国際社会」 (南山大学総合政策学部 温水嶺さん)
 「グローバル・ガバナンスにおける国連の役割―可能性と挑戦―」というテーマは国際関係を学んでいる学生の僕にとって非常に大きなテーマであり、また、今年60周年を迎える国連自体のテーマでもあると感じ応募しました。
 始めは初対面の環境の中に放り込まれ思わず食事に専念しましたが、講義は基礎を中心に、グループ討論では先生のアドバイスもあり、さらに、講義だけでなくディベートや地元のNGOの方のお話を聞く機会も設けられており、これは専門的な知識のよる討論を予想していた僕にとって非常に有意義でした。
 僕らのグループ討論では、講義の感想などから「それぞれの国際問題は互いにリンクしている」という意識が共有され、リンクしている諸問題を「解決」へ向けるためにはそれぞれのアクター間の連携が必要であるという意見が出ました。そして、様々なアクターを取り入れたネットワークの中で国連は何ができるかということについて考えていきました。講義や討論の中で、国連は「調整者」としての役割があるのではないか、そして、「下から」(現場)の意見を大切にすることが必要だと思いました。
 今回、僕にとって大きな収穫は、共通のテーマに関心を持つ多くの仲間に出会えたことです。夜遅くまで部屋に集まってプレゼンの準備をしたり、ご飯を食べながら議論して仲良くなった人との出会いは日常の生活ではなかなか得がたいものだと思います。問題意識が高く何に対しても積極的に取り組む人や、話し合いの中で常に回りへの気遣いを忘れない人など魅力的な人が多く、それらの人を目標に日常に戻っても頑張ろうと思いました。最後に、全ての参加者、講師の先生方、そして、セミナーを支えてくれた方々に心から感謝申しあげます。

「生涯忘れない五日間」 (小野祐子さん)
 特に政治や国際学を専攻していたわけでもない私がこのセミナーに応募したのは、一般の人々が世界や自国の抱える問題や将来について自ら見聞を深める事の必要性を感じ、そして同じように興味を持つ人にもとても興味があったからです。
著名な先生方の考えや、第一線で活躍されている方々の現場の声を聞く事で、初めて知る多くの現実と、上辺の情報から得た知識とのギャップに驚かされました。
 また、受講者も受身ではなく、様々な角度から質問をし、何か得ようとする姿勢が感じられとても刺激的でした。そして講義の他にも、初のディベートを試みたりと、充実した内容でした。
 グループ共同作業は私に多くのことを教えてくれました。グループ一人一人の個性はとても豊かで、私たちは全く違う人間でした。しかし夜遅くまで話し合い、行き詰まり、作業をする、という体力的にも精神的にも極限の中でも、みな周りを気遣っていました。そして最終日、私たちは徹夜をし、共に日の出を向かえ、その考えを全員で表現することができました。私たちのグループはこれからの世界が求められている課題の答えの一つ、「全く違うもの同士が集まっても、それが思いやりという心で繋がっていれば、共に協力し、何かを作り上げる事ができる」という事を体現していたと思います。
 この五日間で私が得た沢山のものは、これからの人生に大いに生かす事ができ、参加するための時間を割く価値が十分にあったと思います。
最後に、このような機会を与えてくださった皆様に心からの感謝を申し上げます。そしてその聡明さだけではなく、人としてのあり方も私に示してくれたJ5グループのみんなへ、どうもありがとう、みんな最高だよ!
 
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