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 21世紀かながわ円卓会議(2005年度)


 世界を走る亀裂―グローバル化に何ができるか
開催日 2006年3月17日(金)〜18日(土)
場 所 湘南国際村センター・国際会議場(神奈川県葉山町)
モデレーター 樺山紘一/東京大学名誉教授・印刷博物館館長
参加者 61名
講 師 伊豫谷登士翁/一橋大学大学院社会学研究科教授
竹中千春/明治学院大学国際学部教授
福川伸次/財団法人機械産業記念事業財団会長
藤原帰一/東京大学大学院法学政治学研究科教授
諸富徹/京都大学大学院経済学研究科助教授
討議者 五十嵐武士/東京大学大学院法学政治学研究科教授
内田孟男/中央大学大学院経済学研究科教授
勝俣誠/明治学院大学国際学部教授
小浜裕久/静岡県立大学大学院国際関係学研究科教授
鈴木佑司/法政大学法学部教授
高島肇久/外務省参与
田島英一/慶應義塾大学総合政策学部助教授
鳥井弘之/東京工業大学原子炉工学研究所教授
舩橋晴雄/シリウス・インスティテュート株式会社代表取締役
山脇直司/東京大学大学院総合文化研究科教授
福原義春/財団法人かながわ学術研究交流財団理事長
(敬称略。また、肩書きは2006年3月現在のもの)
ハンス・ファン・ヒンケル氏

 プログラム

3月17日(金)13:30〜17:30
13:30 開会挨拶 福原義春(かながわ学術研究交流財団理事長)
13:40 趣旨説明 樺山紘一(東京大学名誉教授、印刷博物館館長)
14:00 ■基調講演「A rift running through our World: Bridging the DivideRoles of Universities (世界を走る亀裂―不公平に世界はどう立ち向かうか /大学の役割)」
ハンス・ファン・ヒンケル(国際連合大学学長)
15:00 冒頭発言
【討議者】五十嵐武士(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
15:20 コーヒーブレーク
15:40 ■セッション1「世界の公正の現状」
【講 師】藤原帰一(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
【討議者】小浜裕久(静岡県立大学大学院国際関係学研究科教授)ほか
16:10 討議
17:20 1日目終了

3月18日(土)9:45〜17:30
9:45 前日のまとめ 樺山紘一(東京大学名誉教授、印刷博物館館長)
10:00 ■セッション2「環境保全か経済開発か−環境と貧困の悪循環をどう抜け出すか−」
【講 師】諸富 徹(京都大学大学院経済学研究科助教授)
【討議者】鈴木佑司(法政大学法学部教授)ほか
10:30 討議
11:15 休憩
11:30 ■セッション3「民主主義と人権」
【講 師】伊豫谷登士翁(一橋大学大学院社会学研究科教授)
【討議者】五十嵐武士(東京大学大学院法学政治学研究科教授)ほか
12:00 討議
12:45 昼食
13:45 ■セッション4「教育・文化の断層を超えるために」
【講 師】竹中千春(明治学院大学国際学部教授)
【討議者】田島英一(慶應義塾大学総合政策学部助教授)ほか
14:15 討議
15:00 コーヒーブレーク
15:30 ■セッション5「格差に向き合う思想」
【講 師】福川伸次(財団法人機械産業記念事業財団会長)
【討議者】山脇直司(東京大学総合文化研究科教授)ほか
16:00 討議
16:45 総括討議
樺山紘一(東京大学名誉教授、印刷博物館館長)
17:15 閉会の挨拶
福原義春(かながわ学術研究交流財団理事長)

○基調講演「A rift through our World :Bridging the Divide / Role of Universities(世界を走る亀裂−不公 平に世界はどう立ち向かうか / 大学の役割)」
 ハンス・ファン・ヒンケル・国連大学学長から、人間の安全保障を脅かす世界の貧困の問題とその克服の可能性に ついて、国による平均寿命の格差など具体的なデータに基づいた基調講演がありました。MDGs(ミレニアム開発 目標)と、その達成のための行動の重要性、開発への取り組みとして大学がネットワークを構築していくことの 価値についても触れられました。

○セッション1「世界の公正の現状」
藤原帰一・東京大学教授から、貧困の中で暮らす人々の事例をまじえながら、貧困がこれまでどう捉えられてきたか、 そのことを語る者の意識にまで踏み込んだ問題提起がありました。討論では、東南アジア・アフリカの例を基に、途 上国に対する援助の有効性とその限界について活発な議論がなされました。

○セッション2「環境保全か経済開発か−環境と貧困の悪循環をどう抜け出すか−」
2日目は、司会による前日のまとめの後に、セッション2が始まり、諸富徹・京都大学助教授は、グロ ーバル化に伴う途上国での環境と貧困の悪循環について解説し、その対策として持続可能な発展を可能とす るきっかけとなる途上国における小規模金融について説明しました。討議者からは、成功の理由としてコミ ュニティーの役割や信頼関係の重要性について意見が出されました。また、小規模金融の融資対象がほとん ど女性だったことから、ジェンダーの問題にも触れた討論となりました。

○セッション3「民主主義と人権」
伊豫谷登士翁・一橋大学教授は、第二次世界大戦後の民主主義、人権などの西欧的「普遍」概念の広がりや、政治・ 経済のグローバリゼーションがもたらした境界の消失が、移民の増大や、地域文化の破壊という問題を生むことを説明 し、ナショナリズムに関する討論が展開されました。

○セッション4「教育・文化の断層を超えるために」
竹中千春・明治学院大学教授から、グローバリゼーションの中でインドに何が起こっているか、貧困から抜け出そうとす る人々の必死さ、経済成長に深く関わる政治の歴史について講演がありました。中国とインドとの比較から展開された討 議は、両国に対する認識をさらに深めていきました。

○セッション5「格差に向き合う思想」
総括セッションのセッション5では、福川伸次・財団法人機械産業記念事業財団会長が、今までのセッションの内容をまとめて 振り返りながら、国連の役割や、格差を是正するための提言を述べました。討議では、途上国への支援等、国・地域によって 対策を考えていかなければならない、容易に解決しない問題の根深さが示されました。

セッション討議後の総括討議は、傍聴者から寄せられた多くの質問について、司会が講師・討議者に発言を求めながら進められ ました。今後の会議の方向性に関する鋭い質問等から、この会議に対する傍聴者の高い関心がうかがえました。

【参加者の声】
○ハンス・ファン・ヒンケル学長のレクチュアが、特に具体的事例を挙げての説明もあり、参考になりました。さすが国際国家オランダのユトレヒト大学からの出身と感心しました。
○貧困、格差、環境等々どれをとっても興味深く、それぞれの先生方から身近に話を聞くことができ、大変良かったと思っています。

 セミナーの概要

「21世紀かながわ円卓会議」は、昨年より3年間を目途に始まった「21世紀を構築する」という共通テー マの2回目として、「世界を走る亀裂−グローバル化に何ができるか」をテーマに開催しました。
樺山紘一・印刷博物館館長(東京大学名誉教授)の司会で開幕した今回のプログラムは、基調講演と5つの セッションで構成され、世界の中で広がるさまざまな格差が、グローバリゼーションの流れの中で、どのよ うな方向に向かっていくのか、その格差は是正することができるのかが議論されました。

2005年度講演録はこちら(PDF)


 
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